ASC-US、ASC-H 何のこと?

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前回、子宮頸がん検診の判定結果(NILM, LSIL, HSIL)について述べました。

今回はASC-US, ASC-Hについて述べます。ASC-USはatypical squamous cells undetermined significance(意義不明な異型扁平上皮細胞)という意味です。前回述べたLSILほどの異常ではない状態です。この場合はHPVという子宮頸がんの原因となるウイルスの有無を調べる検査を受け、陰性なら心配ないでしょう。陽性である場合は、コルポスコピーという拡大鏡で観察し、必要であれば、組織を少し採取して検査します。組織診では異常がないことも多いです。

ASC-Hはatypical squamous cells, cannot exclude HSIL(高度病変を除外できない異型扁平上皮細胞)です。この状態は中等度異形成、高度異形成、上皮内がんの可能性が高いです。精密検査が必要です。

ASC-USとASC-Hは異型の程度が異なりますので、注意しましょう。子宮頸がん検診は子宮の入口から細胞を採取する細胞診が施行されますが、細胞の形を顕微鏡で観察して診断しているので、必ずしもNILM, LSIL, HSILとキッパリと区分できるない場合もあり、やや幅を持って診断しているのが、ASC-USやASC-Hと言えるでしょう。